明後日26日は、第93回アカデミー賞の授賞式。
新型コロナウイルスの影響で、昨年と比べると2ヶ月半もずれ込んでのセレモニーだ。
直前となった今日は、毎年恒例の予想記事を書くことにしたい。
(ネタバレはありません)
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作品賞にノミネートされた8本のうち、「ノマドランド」「ミナリ」「マンク」「シカゴ7裁判」の4本しか観ていない。
これで予想するのは無謀というものだが、日本でまだ公開されていないのだから仕方がない。
それでも、受賞作を左右するポイントは決まっているので、それを念頭に置いていけばさほど難しくはないだろう。
それは、多様性だ。
韓国発の「パラサイト」が総なめした昨年から、アカデミー賞には激しい地殻変動が起きている。
男性・白人・米国人よりも女性・非白人・外国人を積極的に評価する動きは、今年さらに強くなるだろう。
そうしないと、やたら批判されちゃうしね。
それはそれで公正じゃないんじゃないの?と思わないでもないが、それが今の世の中なのだ。
この流れを踏まえて主要部門を予想してみると、次の通り。
個別に見ていこう。
今年は、「ノマドランド」と「ミナリ」の一騎打ちだ。
ちょっと前なら、ハリウッドの内幕を描いた「マンク」が最有力だったはずだが、白人ばかりの配信作品は今かなり分が悪い。
一方、「ノマドランド」の監督は中国出身だし、「ミナリ」はほぼ韓国映画なので、時流には乗っている。
そして、前哨戦の映画賞を席巻しているのは「ノマドランド」だ。
一見淡々と進む地味な作品だが、ひと皮むけばうねり返る感情にあふれている。
コロナに打ちひしがれた人々の心に強く訴えかける、ずば抜けて豊潤な映画らしい映画だった。
「ミナリ」も悪くはないのだが、「ノマドランド」の前では格が違いすぎだ。
というわけで、まったく迷うことなく私は「ノマドランド」と予想した。
こちらも作品賞と同様、「ノマドランド」のクロエ・ジャオと「ミナリ」のリー・アイザック・チョンの一騎打ち。
作品賞の評価がそのまま当てはまって、ジャオ監督が順当に受賞するんじゃないかな。
初のアジア人女性監督という多様性要素も十分に満たしているし。
本来なら「マンク」のデイヴィッド・フィンチャー監督にそろそろ栄誉をあげたいところだけど、今年はちょっと相手が悪い。
というわけで、私はジャオ監督と予想した。
この部門の最有力は、「マ・レイニーのブラックボトム」のチャドウィック・ボーズマン。
昨年8月、43歳の若さで亡くなったブラックパンサーだ。
「ダークナイト」のヒース・レジャーに続く追悼受賞になりそう。
ただ、この作品の役どころは、正直あんまり心に響かなかったのよね。
となると、対抗馬のアンソニー・ホプキンスが気になるところ。
未見だけど、「ファーザー」での認知症演技がものすごいらしい。
83歳で現役バリバリの名優には、二度めのオスカーを献上したい気もするのだ。
でも、やっぱりボーズマンかな。
「ブラックパンサー」や「ザ・ファイブ・ブラッズ」など、ノミネートされなかった映画の評価も含めると、彼しかいない。
というわけで、私はボーズマンと予想した。
「ノマドランド」のフランシス・マクドーマンドと「プロミシング・ヤング・ウーマン」のキャリー・マリガンで迷うところ。
大本命は、アカデミー賞受けがすごいマクドーマンドだ。
セリフや動きに頼らない演技が実に雄弁で、強烈な印象の過去作品に引けを取らないすばらしさだった。
しかし、前哨戦の結果を見ると、未見のマリガンもかなりインパクトが強いらしい。
マクドーマンドの三度目の受賞を阻止するなら、着々とキャリアを築いてきた彼女だろう。
もうどっちでもいいのだが、鑑賞済みというだけでマクドーマンドに軍配を上げることにした。
なお、多様性を重視するなら、「マ・レイニーのブラックボトム」で圧巻の演技を見せたヴィオラ・デイヴィスも無視できない。
でも、白人がひとりも受賞しないのも偏りすぎなので、受賞歴のあるデイヴィスには今回涙をのんでもらおう。
というわけで、私はマクドーマンドと予想した。
この部門で鑑賞済みは、「シカゴ7裁判」のサシャ・バロン・コーエンだけ。
でも、前哨戦の様子を見ると、今年は彼の年じゃなさそう。
未見の中からひとり選ぶなら、「Judas and the Black Messiah」のダニエル・カルーヤかな。
他のノミネート者をよく知らないのよね。ただそれだけ。
「サウンド・オブ・メタル」のポール・レイシーも評価が高いみたいだけど、多様性基準で考えると白人は選びにくい。
というわけで、私はカルーヤと予想した。
この部門には8回目のノミネートとなる無冠の女王、グレン・クローズがいる。
もうそろそろオスカーあげないと、これはこれでイジメのようにも見えるね。
ただ、該当作品の「ヒルビリー・エレジー」は期待したほど面白くなかったし、クローズならもっと評価すべき過去作がたくさんある。
となると、彼女以外から選ぶしかない。
多様性を踏まえるなら、「ミナリ」のユン・ヨジョン一択だ。
あの全人種全世代に訴えかけるおばあちゃんっぷりは、アカデミー賞の歴史に残すべき名演技だった。
以上が、今年のアカデミー賞の予想でした。
さて、どんだけ当たるかしら?
結果は27日の記事で。
新型コロナウイルスの影響で、昨年と比べると2ヶ月半もずれ込んでのセレモニーだ。
直前となった今日は、毎年恒例の予想記事を書くことにしたい。
(ネタバレはありません)
作品賞にノミネートされた8本のうち、「ノマドランド」「ミナリ」「マンク」「シカゴ7裁判」の4本しか観ていない。
これで予想するのは無謀というものだが、日本でまだ公開されていないのだから仕方がない。
それでも、受賞作を左右するポイントは決まっているので、それを念頭に置いていけばさほど難しくはないだろう。
それは、多様性だ。
韓国発の「パラサイト」が総なめした昨年から、アカデミー賞には激しい地殻変動が起きている。
男性・白人・米国人よりも女性・非白人・外国人を積極的に評価する動きは、今年さらに強くなるだろう。
そうしないと、やたら批判されちゃうしね。
それはそれで公正じゃないんじゃないの?と思わないでもないが、それが今の世の中なのだ。
この流れを踏まえて主要部門を予想してみると、次の通り。
部門 | 予想 |
---|---|
作品賞 | ノマドランド |
監督賞 | クロエ・ジャオ 「ノマドランド」 |
主演 男優賞 | チャドウィック・ボーズマン 「マ・レイニーのブラックボトム」 |
主演 女優賞 | フランシス・マクドーマンド 「ノマドランド」 |
助演 男優賞 | ダニエル・カルーヤ 「Judas and the Black Messiah」 |
助演 女優賞 | ユン・ヨジョン 「ミナリ」 |
個別に見ていこう。
作品賞
今年は、「ノマドランド」と「ミナリ」の一騎打ちだ。
ちょっと前なら、ハリウッドの内幕を描いた「マンク」が最有力だったはずだが、白人ばかりの配信作品は今かなり分が悪い。
一方、「ノマドランド」の監督は中国出身だし、「ミナリ」はほぼ韓国映画なので、時流には乗っている。
そして、前哨戦の映画賞を席巻しているのは「ノマドランド」だ。
一見淡々と進む地味な作品だが、ひと皮むけばうねり返る感情にあふれている。
コロナに打ちひしがれた人々の心に強く訴えかける、ずば抜けて豊潤な映画らしい映画だった。
「ミナリ」も悪くはないのだが、「ノマドランド」の前では格が違いすぎだ。
というわけで、まったく迷うことなく私は「ノマドランド」と予想した。
監督賞
こちらも作品賞と同様、「ノマドランド」のクロエ・ジャオと「ミナリ」のリー・アイザック・チョンの一騎打ち。
作品賞の評価がそのまま当てはまって、ジャオ監督が順当に受賞するんじゃないかな。
初のアジア人女性監督という多様性要素も十分に満たしているし。
本来なら「マンク」のデイヴィッド・フィンチャー監督にそろそろ栄誉をあげたいところだけど、今年はちょっと相手が悪い。
というわけで、私はジャオ監督と予想した。
主演男優賞
この部門の最有力は、「マ・レイニーのブラックボトム」のチャドウィック・ボーズマン。
昨年8月、43歳の若さで亡くなったブラックパンサーだ。
「ダークナイト」のヒース・レジャーに続く追悼受賞になりそう。
ただ、この作品の役どころは、正直あんまり心に響かなかったのよね。
となると、対抗馬のアンソニー・ホプキンスが気になるところ。
未見だけど、「ファーザー」での認知症演技がものすごいらしい。
83歳で現役バリバリの名優には、二度めのオスカーを献上したい気もするのだ。
でも、やっぱりボーズマンかな。
「ブラックパンサー」や「ザ・ファイブ・ブラッズ」など、ノミネートされなかった映画の評価も含めると、彼しかいない。
というわけで、私はボーズマンと予想した。
主演女優賞
「ノマドランド」のフランシス・マクドーマンドと「プロミシング・ヤング・ウーマン」のキャリー・マリガンで迷うところ。
大本命は、アカデミー賞受けがすごいマクドーマンドだ。
セリフや動きに頼らない演技が実に雄弁で、強烈な印象の過去作品に引けを取らないすばらしさだった。
しかし、前哨戦の結果を見ると、未見のマリガンもかなりインパクトが強いらしい。
マクドーマンドの三度目の受賞を阻止するなら、着々とキャリアを築いてきた彼女だろう。
もうどっちでもいいのだが、鑑賞済みというだけでマクドーマンドに軍配を上げることにした。
なお、多様性を重視するなら、「マ・レイニーのブラックボトム」で圧巻の演技を見せたヴィオラ・デイヴィスも無視できない。
でも、白人がひとりも受賞しないのも偏りすぎなので、受賞歴のあるデイヴィスには今回涙をのんでもらおう。
というわけで、私はマクドーマンドと予想した。
助演男優賞
この部門で鑑賞済みは、「シカゴ7裁判」のサシャ・バロン・コーエンだけ。
でも、前哨戦の様子を見ると、今年は彼の年じゃなさそう。
未見の中からひとり選ぶなら、「Judas and the Black Messiah」のダニエル・カルーヤかな。
他のノミネート者をよく知らないのよね。ただそれだけ。
「サウンド・オブ・メタル」のポール・レイシーも評価が高いみたいだけど、多様性基準で考えると白人は選びにくい。
というわけで、私はカルーヤと予想した。
助演女優賞
この部門には8回目のノミネートとなる無冠の女王、グレン・クローズがいる。
もうそろそろオスカーあげないと、これはこれでイジメのようにも見えるね。
ただ、該当作品の「ヒルビリー・エレジー」は期待したほど面白くなかったし、クローズならもっと評価すべき過去作がたくさんある。
となると、彼女以外から選ぶしかない。
多様性を踏まえるなら、「ミナリ」のユン・ヨジョン一択だ。
あの全人種全世代に訴えかけるおばあちゃんっぷりは、アカデミー賞の歴史に残すべき名演技だった。
ここまであの映画からの受賞がないことを考えても、他の名優を抑えるだけの意味がありそう。
というわけで、私はヨジョンと予想した。以上が、今年のアカデミー賞の予想でした。
さて、どんだけ当たるかしら?
結果は27日の記事で。
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