高齢ドライバーによる痛ましい事故が、毎日のように報道されている。
この事態を改善すべく、新しい運転免許制度の創設が検討されているらしい。
詳細は明らかになっていないが、今日はこの件について思うところを書いてみたい。
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高齢ドライバーによる事故増加の解決策としてよく挙げられるのが、免許定年制だ。
「免許を取れる年齢が決まっているんだから、免許を失う年齢があってもいい。いやむしろあるべき」というもので、もし実現できるのなら私も反対はしない。
でも、いきなりは難しいよね。
こういうのは段階を踏んで進めていかないと、既得権を持つシニア世代の反発を買うだけ。
「地方は車がないと生活できない」「ほかの交通手段を充実させろ」とか言われると、それに回せるお金も人手も余裕のない今の時代、引き下がるしかなくなっちゃう。
人の命よりも優先すべき利便性なんてあるわけないんだけど、なぜかこの理屈はいつも強く主張されますな。
まあでも確かに、一律召し上げの免許定年制は、ちょっと強引なところがある。
老いてもますます盛んで、若い人よりも安全に運転できる高齢者には、チャンスをあげるべきだ。
そこで私が考えていたのは、免許の取り直し。
ある一定の年齢になったら、免許の更新時に学科試験と実技試験を義務化するのだ。
合格すれば堂々と運転できるし、不合格なら免許の更新を延期。
どうしても運転したければ、合格するまで再チャレンジを認める。
これなら、試験に落ちた人も文句はいいにくいでしょ?
「もうこれしかないべ」と思っていたので、昨日のニュースには驚いた。
以前から検討されていたアイディアだけど、実際に方向性を打ち出されたら、これはこれで優れた方法だとうならされた。
ポイントは、これが政府の成長戦略の一環であるところだ。
免許定年制や免許取り直しは、結果的に高齢ドライバーの激減をまねき、経済に大きな打撃を与えかねない。
一方、こちらの新免許制度だと、運転したければ安全機能つきの車に乗らざるを得ず、その経済効果も期待できる。
実際、この分野の技術革新は目まぐるしく、大手メーカーの純正品から中小企業による安価な後付け製品までよりどりみどりだ。
庶民には手の出ない代物だった昔ならともかく、今なら無理のない方策だと言えよう。
歳をとっても運転したい人は、社会と家族と何より自分を安心させるために、それくらいの代償を払うべきでしょう。
ところが、この件が報道されてすぐに、「これじゃ意味がない」との声があがった。
それは、この新制度が義務ではなく選択制となっているから。
確かに安全意識の高い人しか、この新免許を取ろうとは思わないわ。
面倒くさかったり、お金がなかったり、「オレは関係ねー」とか言う人はこれまで通り変わらず。
そしてそのうちの何割かが、他人の命を奪い続けるのだ。
でも、逆に私はこの選択制という判断に、「官僚頭いいわー」と舌を巻いた。
免許定年制と同じで、いきなり義務化しようとしても、反発が大きくて実現は不可能。
それがわかっている彼らは、最初に枠を作ることにした。
そして、数年は様子を見るのだろう。
その間に、高齢者による事故のデータを集めるのだ。
普通免許と新免許の事故率を調べれば、圧倒的に普通免許に不利な結果が出る。
それをドーンと提示して「ほらね」とやれば、そのときこそ新免許の義務化が可能になるのだ。
彼らはそこまで考えてるよ。
もちろん、世論操作を成功させるために、彼らはいろんな手を打つはず。
新免許のドライバーには、Sマーク(SAFETYのSね)を配布して、もみじマークと見分けられるようにする。
その上で、もみじマークへの取り締まりを厳しくするのだ。
もちろん、あからさまにやると問題になるから、もみじ検挙率の裏ノルマを課すとか、そういう指示がこっそり出るのよ。
そうして、Sマークは安全、もみじマークは危険という認識を広めていく。
これに事故率の客観的なデータを合わせれば、自然と新免許に移行するムードになるでしょ。
…なーんて、後半は妄想がふくらんでしまったけど、現実は当たらずとも遠からずなんじゃないかな。
今後、高齢ドライバーによる事故の被害者は、増えることはあっても減ることは考えづらい。
それでも車を運転したいお年寄りにとって、今回の新制度は朗報なのだ。
だって、一律75歳で免許を取り上げられるよりは、ずっといいでしょ?
以上、4年前に愛車を手放したセミリタイアの放言でした。
この事態を改善すべく、新しい運転免許制度の創設が検討されているらしい。
詳細は明らかになっていないが、今日はこの件について思うところを書いてみたい。
高齢ドライバーによる事故増加の解決策としてよく挙げられるのが、免許定年制だ。
「免許を取れる年齢が決まっているんだから、免許を失う年齢があってもいい。いやむしろあるべき」というもので、もし実現できるのなら私も反対はしない。
でも、いきなりは難しいよね。
こういうのは段階を踏んで進めていかないと、既得権を持つシニア世代の反発を買うだけ。
「地方は車がないと生活できない」「ほかの交通手段を充実させろ」とか言われると、それに回せるお金も人手も余裕のない今の時代、引き下がるしかなくなっちゃう。
人の命よりも優先すべき利便性なんてあるわけないんだけど、なぜかこの理屈はいつも強く主張されますな。
まあでも確かに、一律召し上げの免許定年制は、ちょっと強引なところがある。
老いてもますます盛んで、若い人よりも安全に運転できる高齢者には、チャンスをあげるべきだ。
そこで私が考えていたのは、免許の取り直し。
ある一定の年齢になったら、免許の更新時に学科試験と実技試験を義務化するのだ。
合格すれば堂々と運転できるし、不合格なら免許の更新を延期。
どうしても運転したければ、合格するまで再チャレンジを認める。
これなら、試験に落ちた人も文句はいいにくいでしょ?
「もうこれしかないべ」と思っていたので、昨日のニュースには驚いた。
政府、高齢者向けに安全機能車の限定免許案を検討
政府が、安全機能が付いた車種のみ運転できるようにする高齢ドライバー専用の新しい運転免許制度の創設を検討していることが10日、分かった。ただ、新免許制度を75歳以上の免許更新の際に義務化させるのではなく、選択制とする方向で、実際に事故の削減につながるかは不透明だ。
(産経ニュース 2019/6/10)
以前から検討されていたアイディアだけど、実際に方向性を打ち出されたら、これはこれで優れた方法だとうならされた。
ポイントは、これが政府の成長戦略の一環であるところだ。
免許定年制や免許取り直しは、結果的に高齢ドライバーの激減をまねき、経済に大きな打撃を与えかねない。
一方、こちらの新免許制度だと、運転したければ安全機能つきの車に乗らざるを得ず、その経済効果も期待できる。
実際、この分野の技術革新は目まぐるしく、大手メーカーの純正品から中小企業による安価な後付け製品までよりどりみどりだ。
庶民には手の出ない代物だった昔ならともかく、今なら無理のない方策だと言えよう。
歳をとっても運転したい人は、社会と家族と何より自分を安心させるために、それくらいの代償を払うべきでしょう。
ところが、この件が報道されてすぐに、「これじゃ意味がない」との声があがった。
それは、この新制度が義務ではなく選択制となっているから。
確かに安全意識の高い人しか、この新免許を取ろうとは思わないわ。
面倒くさかったり、お金がなかったり、「オレは関係ねー」とか言う人はこれまで通り変わらず。
そしてそのうちの何割かが、他人の命を奪い続けるのだ。
でも、逆に私はこの選択制という判断に、「官僚頭いいわー」と舌を巻いた。
免許定年制と同じで、いきなり義務化しようとしても、反発が大きくて実現は不可能。
それがわかっている彼らは、最初に枠を作ることにした。
そして、数年は様子を見るのだろう。
その間に、高齢者による事故のデータを集めるのだ。
普通免許と新免許の事故率を調べれば、圧倒的に普通免許に不利な結果が出る。
それをドーンと提示して「ほらね」とやれば、そのときこそ新免許の義務化が可能になるのだ。
彼らはそこまで考えてるよ。
もちろん、世論操作を成功させるために、彼らはいろんな手を打つはず。
新免許のドライバーには、Sマーク(SAFETYのSね)を配布して、もみじマークと見分けられるようにする。
その上で、もみじマークへの取り締まりを厳しくするのだ。
もちろん、あからさまにやると問題になるから、もみじ検挙率の裏ノルマを課すとか、そういう指示がこっそり出るのよ。
そうして、Sマークは安全、もみじマークは危険という認識を広めていく。
これに事故率の客観的なデータを合わせれば、自然と新免許に移行するムードになるでしょ。
…なーんて、後半は妄想がふくらんでしまったけど、現実は当たらずとも遠からずなんじゃないかな。
今後、高齢ドライバーによる事故の被害者は、増えることはあっても減ることは考えづらい。
それでも車を運転したいお年寄りにとって、今回の新制度は朗報なのだ。
だって、一律75歳で免許を取り上げられるよりは、ずっといいでしょ?
以上、4年前に愛車を手放したセミリタイアの放言でした。
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なんとなくTAOさんの推察するような感じで事が進んでいきそうですね。うちの娘にも高齢者ドライバーについてどう思うか尋ねたら「老害」の一言で済まされました。なら不自由な体で不便な所に住む高齢者はどうしたらいいと思う?と聞き返してみると「そんなことは知らん」と…これが若者の正直な意見なのかもしれません。買い物は宅配を使えばいい、病院は訪問医療を使えばいい。車を使うようなところに高齢者はわざわざでかけなくてもよいと。でもそういうスキルも金銭的余裕もない、病院に行かないと受けられない検査や治療があると話してもそういう世界に対応しなかった高齢者のほうに非があると言わんばかり。私もリサーチ不足で新しいシステムにまごついてることが多々あるので周囲の若者には「老害」と思われてるんでしょうね。色々書いてますが感じたのはそんな私に声をかけて教えたり手を差し伸べてくれる人が圧倒的に少ないということ。昔、私の両親が現役時代は近所に住む高齢者を病院の近くまで行くから車に乗せていくということが普通にありました。今はそういうコミュニティも希薄になり人が人を助けられる余裕もないのが今の日本の一番の問題なのかもしれませんね。