(「宗教って怖い」からの続き)
仕事仲間である女性とその組織の上役から、新興宗教の勧誘を受けた私。
なかなかなびかない頑固者に対し、相手はとうとう命を脅かすような言葉を口にし始めた。
時は20世紀末、オウム真理教による数々の凶行が日本を震撼させていた時代に、である。
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当時まだ20代の若者だった私は、突然目の前に現れた現代の悪魔に、心底怯えた。
なぜならこいつらは、「私たちの側につかないならあなたを殺しますよ」と、遠まわしに言っているのだ。
もちろん、「いくらなんでも、まさかそこまではしないでしょ」とも考えた。
でも……でも、いるじゃない。
実際にそういうことをやって、たくさんの罪のない人を手にかけた狂信者たちが。
彼らの思考回路は、凡人の私とはまったく違うものなのだ。
とにかくその場は穏便に済ませるしかない。
ひきつった笑顔で、「前向きに検討します」「いいお話が聴けました」「ありがとうございました」を連発し、まだまだ説得したい二人を残して、かなり強引にお店を出た。
開始から3時間が過ぎていた。
身も心もフラフラになりながら家路を急ぐ。
駅のホームでは絶対に列の先頭に立たず、道を歩くときも車には注意しまくって。
その後ひと月以上は、そんな警戒態勢を続けていた。
しかし、怯えると同時に、ものすごく腹が立ったのもまた事実。
週末をはさんで出社した月曜日、私は会社の上司に、今回の件の一部始終を報告した。
社内での宗教活動を禁ずる規程に、明らかに抵触しているからね。
しかも、長時間拘束するわ、脅迫するわ、きわめて悪質なレベルだ。
調査を担当した別の上司に対し、私は強硬に主張した。
「とてもじゃないが同じ職場で働くことはできない。Aさんを退職させるか、私を異動させるか、どっちかにしてくれ!」と。
会社はちゃんと動いてくれた。
いろいろ調べた結果、Aさんは勧誘の事実を認めた。
ほかにも同様の誘いを受けた人が複数いたことも判明した。
信者獲得にも強烈なノルマがあって、それまでは気の弱そうな人をターゲットにしていたのだが、背に腹は代えられなくなり、いつも話し相手になっていた私に声をかけたようだ。
そして…Aさんは異動になった。
私の望みは彼女の退職だったけど、本人は仕事を辞めたくないと言ったらしい。
そこで、今の職場からは異動する、会社での勧誘は絶対にしない、もしまたやったら辞めてもらうという条件で、仕事を続けることになった。
私は、その結論に対しても「あまい!」と強く反対した。
しかし、今の時代そう簡単に解雇はできず、自己都合退職も強制できないとなれば、落としどころはそれしかない。
しぶしぶながら、私も了承せざるをえなかった。
結局、Aさんは数年後に会社を辞め、その後の消息はわからない。
あれから20年、私も命を落とすことなく、なんとか生きながらえている。
あのとき私を恐怖のどん底に突き落とした言葉は、やはり口先だけの脅しだったのだろう。
でも、もしかしたら、私が注意深く行動していたので、命を狙うすきがなかっただけなのかもしれない。
会社に残ったAさんの立場を守るために、私の暗殺計画も棚上げになったのかもしれない。
私に言えるのは、何が真実かはわからない、ということだけである。
信じるか信じないかは、あなた次第です!
仕事仲間である女性とその組織の上役から、新興宗教の勧誘を受けた私。
なかなかなびかない頑固者に対し、相手はとうとう命を脅かすような言葉を口にし始めた。
時は20世紀末、オウム真理教による数々の凶行が日本を震撼させていた時代に、である。
当時まだ20代の若者だった私は、突然目の前に現れた現代の悪魔に、心底怯えた。
なぜならこいつらは、「私たちの側につかないならあなたを殺しますよ」と、遠まわしに言っているのだ。
もちろん、「いくらなんでも、まさかそこまではしないでしょ」とも考えた。
でも……でも、いるじゃない。
実際にそういうことをやって、たくさんの罪のない人を手にかけた狂信者たちが。
彼らの思考回路は、凡人の私とはまったく違うものなのだ。
とにかくその場は穏便に済ませるしかない。
ひきつった笑顔で、「前向きに検討します」「いいお話が聴けました」「ありがとうございました」を連発し、まだまだ説得したい二人を残して、かなり強引にお店を出た。
開始から3時間が過ぎていた。
身も心もフラフラになりながら家路を急ぐ。
駅のホームでは絶対に列の先頭に立たず、道を歩くときも車には注意しまくって。
その後ひと月以上は、そんな警戒態勢を続けていた。
しかし、怯えると同時に、ものすごく腹が立ったのもまた事実。
週末をはさんで出社した月曜日、私は会社の上司に、今回の件の一部始終を報告した。
社内での宗教活動を禁ずる規程に、明らかに抵触しているからね。
しかも、長時間拘束するわ、脅迫するわ、きわめて悪質なレベルだ。
調査を担当した別の上司に対し、私は強硬に主張した。
「とてもじゃないが同じ職場で働くことはできない。Aさんを退職させるか、私を異動させるか、どっちかにしてくれ!」と。
会社はちゃんと動いてくれた。
いろいろ調べた結果、Aさんは勧誘の事実を認めた。
ほかにも同様の誘いを受けた人が複数いたことも判明した。
信者獲得にも強烈なノルマがあって、それまでは気の弱そうな人をターゲットにしていたのだが、背に腹は代えられなくなり、いつも話し相手になっていた私に声をかけたようだ。
そして…Aさんは異動になった。
私の望みは彼女の退職だったけど、本人は仕事を辞めたくないと言ったらしい。
そこで、今の職場からは異動する、会社での勧誘は絶対にしない、もしまたやったら辞めてもらうという条件で、仕事を続けることになった。
私は、その結論に対しても「あまい!」と強く反対した。
しかし、今の時代そう簡単に解雇はできず、自己都合退職も強制できないとなれば、落としどころはそれしかない。
しぶしぶながら、私も了承せざるをえなかった。
結局、Aさんは数年後に会社を辞め、その後の消息はわからない。
あれから20年、私も命を落とすことなく、なんとか生きながらえている。
あのとき私を恐怖のどん底に突き落とした言葉は、やはり口先だけの脅しだったのだろう。
でも、もしかしたら、私が注意深く行動していたので、命を狙うすきがなかっただけなのかもしれない。
会社に残ったAさんの立場を守るために、私の暗殺計画も棚上げになったのかもしれない。
私に言えるのは、何が真実かはわからない、ということだけである。
信じるか信じないかは、あなた次第です!
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霞みましたよ。