ちょっと前の話になるが、「定年バカ」という本を5月に読んだ。

巷にあふれる「定年後の生き方を指南する本」を、片っ端からこきおろした珍本だ。



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2017062201


定年後をどう生きたらいいかについては、一言で足りる、とわたしは思っている。
「自分の好きにすればよい」
である。
(P4「はじめに」)

この基本理念に基づいて、本書は様々な「定年バカ」にダメ出しをしまくっている。

「お金に焦るバカ」「生きがいバカ」「健康バカ」「社交バカ」「定年不安バカ」「未練バカ」「終活バカ」と、批判の矛先は全方位だ。


どうせお金がないのなら、焦ったところでなんにもならない。なるようになる、なんとかなる、と気楽に考えたほうがよほどいい。
(P51「お金に焦るバカ」)
わたしは今年で定年後十年になる。一日一日ほとんどなにもしなかったら、十年たってしまった。細々と文章は書いた。しかしその大半はテレビ三昧、読書三昧、DVD三昧の日々だったといっていい。(中略)じつをいえばそのような日々は悪くはなかったのである。なんの後悔もない。
(P59「生きがいバカ」)
世間では、(中略)交際範囲を広げたりしている人のほうが断然楽しそうで、そうなりたいと思うのが多数なのかもしれないと思う。わたしは会が好きではないが、会は大好きという人のほうが多いのだろう。これは、どっちがいいとか悪いとか、上とか下とかいう問題ではない。単純に趣味の問題である。わたしはかれらの「楽しさ」が「楽しくない」のだからしかたない。
(P124「社交バカ」)
「死ぬまで働いたほうがいい」など大きなお世話である。「社会のためにもなる」なんてことも無理に考えなくていい。(中略)働くなら、自分の生活のためである。
(P134「定年不安バカ」)

ちょっと早めの定年を自ら迎えた私も、著者の考えには多くの部分で賛成する。

他人のものさしで決められる人生を自分の手に取り戻したくて、私はセミリタイアした。

だから、今さら「こう生きるべし」なんて上から目線のアドバイスに、耳を貸す必要なんてないのよ。

何をしても、何をしなくても自由。

だから幸せなのだ。



そんな私でも、今までいろんな自己啓発本を読んできた。

その理由は「自己啓発本を読んでも啓発されない人」でも書いたが、自分の考えを改めて人生をよりよい方向に変えるためでは、決してない。

自分の考えを後押しする言葉に出会いたい。ただそれだけだ。

だから、そういう本を選んで読んできたし、このブログでも紹介してきた。

「定年バカ」を読んだのも、まったく同じ趣旨だ。


しかし、ふと気づいた。

こんな本をこれ以上読んでも、あんまり意味ないわ。


セミリタイアする前は、今の日本においてマイノリティとなる人生を選択するにあたって、少しでも勇気をもらいたかった。

だから、「あした死ぬかもよ」とか「働かないって、ワクワクしない?」なんかを読んで、モチベーションを高めていたのだ。

そしてセミリタイア後は、自分の選択が間違っていなかったことを確認したくて、「減速して生きる」とか「『好きなこと』だけして生きていく」などを読んだ。

そして、このブログで紹介して、自己満足を得ていたのだ。


でも、そういうのはもういいんじゃないかな。

セミリタイアして4年目ともなると、どれを読んでも大差がなく、以前ほど刺激も満足感も得られなくなってきたのだ。

あとは、このブログでネタにするために、惰性で読んでいるようなところあるもの。

これはいかん。時間の無駄だ。



なので、こういう人生指南本やセミリタ推奨本の類は、もう読まないことに決めた。

読書の愉しみを与えてくれる本や、新たな知識を教えてくれる本に時間をかけた方が有意義だわ。

本棚には未読の自己啓発本が何冊か残っていたけど、もう必要ないので処分予定の山に移動。

これでちょっとはすっきりしたかな。

「読書の断捨離」という自己啓発のきっかけになった「定年バカ」には、感謝しないとね。


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