今日、前代未聞の老人ドラマ「やすらぎの郷」が終わった。
そして明日は、朝ドラ史上に残るであろう名作「ひよっこ」が最終回を迎える。
今日は、この半年間観続けてきた帯ドラマを振りかえってみたい。
(ネタバレはありません)
「こころ」から「花子とアン」へ
まず初めは、先週終了したBS再放送の「こころ」。
セミリタイアしてから何本も朝ドラを観てきたが、こんなにがっかりするドラマは初めてだった。
途中で観るのをやめればよかったんだけど、なんだか意地になってしまい無理やり最後まで完走しちゃった。
大きなお世話とバカ騒ぎを繰り返すヒロインをはじめ、すべてのキャラクターに共感できないという異常事態。
とにかく話が稚拙で、どんな脚本家が書いているのかと思ったら、青柳祐美子という人が朝ドラ史上最年少(当時32歳)で担当していた。
その後は大した仕事をしていないところを見ると、たぶんこの作品がダメすぎて干されたのだろう。
それもやむなしと納得の、いいところなしドラマだった。
「こころ」に代わって今週スタートしたのは、2014年上半期に放送された「花子とアン」。
山梨県の貧しい家に生まれ、東京の女学校で英語を学び、故郷での教師生活をへて翻訳家の道へ進んだヒロイン・花子。震災や戦争を乗りこえ、子供たちに夢と希望を送り届けていく。戦後、日本中の若い女性たちの心をつかんだ「赤毛のアン」は、花子にとって生きた証ともいえる作品。アンのように、明日を信じ、夢見る力を信じて生きた花子。明治・大正・昭和にわたる、その波乱万丈の半生記。
(NHKアーカイブス)
今週はまだ花子の幼少時代だったが、あんなに本好きの主人公を嫌いになれるわけがない。
なので、「こころ」に裏切られた思いを、このドラマにぶつけていくことにした。
来年の大河「西郷どん」を担当する売れっ子、中園ミホが書いているのだから、きっと大丈夫だろう。
「やすらぎの郷」から「トットちゃん」へ
さっき終わったばかりの「やすらぎの郷」は、大御所倉本聰じゃなきゃ描けない話がてんこもりで、半年間まったくテンションを落とさずに観ることができた。
日本の映画界やテレビドラマ界を支えてきた名優たちが、老人ホームを舞台に格調低いドタバタ劇を繰り広げるなんて、空前絶後だろう。
最終週はゲストも豪華で、話は相変わらずゲスなのに、大団円を迎えた満足感でいっぱいだった。
倉本氏のドラマは、「ひかりTV」で山ほど録画したので、これからどんどん観ていくことにしよう。
「やすらぎの郷」の時間帯を引き継ぐのは、黒柳徹子の半生を描く「トットちゃん」。
40年以上にわたって「徹子の部屋」の司会を務め、常にエンターテインメント界の第一線で活躍を続けてきた、稀代のスター・ 黒柳徹子。この「トットちゃん!」は、黒柳徹子とその家族の激動の昭和史を描く物語です。戦後最大のベストセラーであり、これまで映像化されることのなかった「窓ぎわのトットちゃん」の時代からもエピソードを抜粋!テレビ女優の一期生として活躍したNHK時代や、このドラマで初めて明かされる“国境を越えた恋”まで、黒柳徹子の怒涛の半生に迫っていきます。
(「トットちゃん」公式サイト)
「やすらぎの郷」のあとでは荷が重かろうと思うけど、脚本を担当するのは、30年以上一線を走り続けるベテラン大石静。
朝ドラ2回経験者の彼女なら、重圧をはねのけて、期待に応えるものを見せてくれるだろう。
出演者もなかなか豪華で、予告編を観て「もうほとんど朝ドラじゃね?」と思ったのは私だけ?
こちらも毎日必ず観ることにしよう。
「ひよっこ」から「わろてんか」へ
そして、毎回毎回笑って泣いての連続だった「ひよっこ」も、いよいよ明日で終わってしまう。
なんならあと半年続いてもいいと思えるぐらい、素晴らしいお話、素晴らしい6ヶ月だった。
最大の功労者はなんと言っても、シナリオを書いた岡田惠和だ。
この「ひよっこ」は、心があったかくなったりせつなくなったりするストーリーしか出てこない。
「こいつさえいなければいいのに」という悪役も、ひとりとして登場しない。
だから、出てくるすべてのキャラクターに感情移入してしまうという、奇跡の物語が誕生したのだ。
くだらない事件を無理やり起こして無理やり丸くおさめるだけの「こころ」とは、雲泥の差であった。
20年ほど前に岡田氏が出した、「ドラマを書く」というエッセイを読んだ。
やっぱりこの人は、心根があったかいんだわ。
この人の書いたドラマもたくさん録画してあるので、次々と観ていくことにしたい。
そして、来週から始まる97代目の朝ドラは「わろてんか」。
平成29年度後期 連続テレビ小説「わろてんか」制作のお知らせ
連続テレビ小説第97作「わろてんか」は明治から昭和初期の活気あふれる商都・大阪が舞台です。いつも周りに“笑い”をふりまくヒロイン藤岡てんはひょんなことから夫婦で小さな寄席経営を始め、“笑い”をビジネスにした日本で初めての女性と言われるまでになります。
(NHKドラマトッピクス)
この作品の脚本を担当するのは、青春恋愛映画をメインに活躍する吉田智子。
朝ドラは初挑戦だし、笑いなんて超難しいテーマ、本当に大丈夫?と、不安が大きいのも事実だ。
「ひよっこ」のあとというのも、相当なプレッシャーだろう。
ぜひこのネガティブ予想をくつがえす、見事な関西ドラマを見せていただきたい。
というわけで長々と書いてしまったが、振りかえってみると、一番大事なのはやっぱり脚本なんだね。
ドラマの成否はすべて、これにかかっているといっても過言ではない。
どのドラマも長丁場だけど、脚本家の皆さん、がんばってください。
来期も、すっごく期待してますので。
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ドラマの良し悪しはほんとうに脚本家次第ですね。今回の朝ドラ「ひよっこ」は非常に面白かったのですが、前作「べっぴんさん」は酷過ぎました。脚本家は渡辺千穂。某有名民放アナウンサーと結婚して日が浅い女性ですが、子育て経験もなく、また人間観察力もゼロにも拘わらず、夫の七光りでNHKにちやほやされて実力があると勘違いしたようです。想像だけで脚本を書くため、滅茶苦茶な朝ドラに成り果てました。本筋と全く無関係な話を2か月間続けた時期もありました。はっきり言って小学校の学芸会以下。あの朝ドラ史上最低と言われた「純と愛」に勝るとも劣らない愚作でした。
朝ドラは大河と並んでNHKの看板番組ですから、もっと慎重に脚本家を選定して貰いたいですね。