セミリタ系ブログでもちょくちょく紹介されている本を、図書館から借りてきて読んだ。
ブロニー・ウェアの「死ぬ瞬間の5つの後悔」だ。
私も、人生の最後に後悔なんてしたくないので、あらかじめ知っておこうと思ってね。
「今にも息を引き取ろうとするときに後悔するなんて、死んでも死にきれんのじゃないの?」と、よっぽどな死に際のオンパレード本を、邦題から想像した。
実際は、全然違ったね。
登場する老人たちは、自分の人生に後悔することはあれど、終末介護ヘルパーである著者によってちゃんと救われて、幸せに死んでいくから。
私も自分の死期が近づいたら、あんな人にそばにいてもらいたいわ。
この本は、巷にあふれかえる同様の自己啓発本とは、趣を異にしている。
ひとりの型破りな女性による、人生前向きエッセイだ。
だから、ところどころ冗長な部分もあるんだけど、全体的には読み物として面白かった。
本作で取り上げられている、「死にゆく者たちが後悔することトップ5」(これ原題)は、以下のとおり。
- 自分に正直な人生を生きればよかった
- 働きすぎなければよかった
- 思い切って自分の気持ちを伝えればよかった
- 友人と連絡を取り続ければよかった
- 幸せをあきらめなければよかった
読んでいてピンときたページに付箋を貼っていたのだが、それが一番多かったのは、2番の「働きすぎなければよかった」。
この後悔をしているのは、人生をイヤイヤ労働に捧げてきた人たちではない。
やりがいと情熱と責任感をもって、熱心に働いてきた人たちだ。
一般的には、「バリバリ仕事をしていてカッコイイ!」という成功者タイプ。
そんな輝いた人生を送ってきたはずの人たちでさえ、そんな後悔をするんだから、そうじゃない人は推して知るべし。
まさに、「仕事なんか生きがいにするな」だわ。
かまってあげなかった妻に先立たれたジョンは、こう語っていた。
「私は仕事が好きだったよ、もちろん。それに地位もすごく気に入っていた。けれど、今となってはそれが何になる? 私は人生で本当に自分を支えてくれたものに十分な時間を費やさなかった」
(本書104ページ)
「働きすぎたと後悔することになるような生き方をしてはいけない。自分が後悔することになるなんて、最後の最後になるまでわからなかったよ。けれど心の奥底では、自分が働きすぎていると気づいていた。(中略)他人にどう思われるかなんて気にしなければよかったんだ。どうして死が迫ってくるまでわからなかったんだろうね」
(本書107ページ)
とても大切なものなのに、失ってからそれに気づくのって、つらいよね。
それは、伴侶がいる人だけに限らない。
私も、彼のような後悔をしないよう、自分の大切なもののために時間を費やしていきたいものだ。
ところで、私が死ぬ間際に後悔するとしたら、いったい何だろう?
セミリタイアしたおかげで、自分に正直に生きているし、働きすぎてもいない。(ていうか働いていない)
自分の気持ちを伝えていない人も特にいないし、今の生活で十分幸せを感じている。
となると、ひっかかるのは、4番の「友人と連絡を取り続ければよかった」だろうか。
学生時代、会社員時代をとおして、たくさんの人と知り合ったけど、今つながっているのはほんの一握りだ。
SNSが当たり前の世代じゃないので、一度関係が切れると、再接続は困難なのよね。
つながっていない人の大半はどうでもいいのだが、中には「あいつ今何してる?」と気になる人も確かにいる。
死期が近づくと、そういう人を思い出しちゃったりするのかしら。
今の数少ない交友関係を大切にしながら、昔親しかった仲間の行方も、ちょっくら追ってみようかな。
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