時間内で終わらないから、仕方なく定時をオーバーしてやる仕事。
それが残業だ。
本当は誰もやりたくないものだと思っていたが、世の中にはいろんな価値観の人がいるようだ。
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幸か不幸か、私が勤めていた会社は、新人にも膨大な量の仕事が与えられ、他人を手伝う余裕なんて全然なかった。
入社したての頃は、夜の10時が退館時刻で、電気が強制的に消される寸前まで仕事をするのが普通だった。
その時間まで残っているのは、入社5年目までの若手だけで、もっと上の社員はもっと早く帰っていた。
残業を記録するときは、最初の2時間をカウントせずに、3時間目以降の分だけ自己申告するのが慣例。
しかし、そうやっていても、通算するといずれ必ず36協定にひっかかるので、月末にはさらに調整しなければならなかった。
そうしないと、総務部長から呼び出しをくらって、書き直しを命じられるのだ。
「は?!本当はもっと残業してんだよ!」と言いたくなるところだが、こちとら人権が確立されていない超ペーペー。
無駄な抵抗になるのはわかっていたので、はじめから戦いを放棄していた。
そんな毎日を繰り返していた24年前のある日、3年目の先輩の行動に、私も含めオフィスにいた全員が驚いた。
定時を過ぎてまだ数分しかたっていないのに、突然立ち上がって、「じゃ、帰りまーす」と言って帰ってしまったのだ。
一瞬の出来事だったし、あまりに軽い口調だったので、しばらくあっけにとられてしまった。
その先輩は有能な人で、周りから一目置かれる存在だった。
ふだんは温厚だけど、自分が正しいと思ったら、上司だろうと誰だろうと関係なくストレートに主張する、とてもとんがった人だった。
性は違えど、米倉涼子演じる「ドクターX」の大門未知子に近いイメージだ。
入社1年目の私は、先輩の切れ味鋭い仕事ぶりに、いつも感心していた。
そんな先輩の、突然の定時退社だ。
誰も異議を唱えず、彼が去ったあと、残された人々で思わず目を合わせる始末。
最近のことではない。
もう一度書くが、今から24年前の話だ。
あとから聞いたところによると、彼は地元の劇団で役者兼監督を務めていて、その日は稽古があったらしい。
こんな忙しい会社で働きながら、そんなことまでしているなんてすごいなあと、さらに尊敬の念を深めてしまった。
働き始めたころにあの姿を見ているので、どうしても早く帰りたい時は、私もサッと立ってサッと出ていくようにしていた。
自分がそうだったので、部下を持つようになり、彼らが早く帰ったとしても全然気にならなかった。
それどころか、時代が変わり、部下の残業は上司が見届けるルールになってしまった。
結局最後に帰るのは、この私だ。
なんだよ、新人時代と一緒じゃねーか。
こうなると、残業する部下にかける言葉も、自然とこうなる。
「まだ残業するの?」
「その仕事、明日でもいいんじゃないの?」
「ねえ、もう帰ろうよ」
なんてやさしい上司だったんでしょ、私って。
だから、「やる気を見せるために残業する」なんてアホらしい話だし、それが通常営業だとしたら、残念な職場としか言いようがない。
新人だって、早く帰りたい時は、「じゃ、帰りまーす」と言って帰ってもいいのだよ!
…その後の責任は持てませんけど。
それが残業だ。
本当は誰もやりたくないものだと思っていたが、世の中にはいろんな価値観の人がいるようだ。
【社畜】「やる気アピールには残業が一番」ブログに非難殺到! 「こういうやつがブラック企業を作る」
仕事をする上で、周りにやる気をアピールするのはいいが、そのやり方は考える必要はある。11月28日、あるブロガーが「定時を過ぎても残業する姿勢を見せろ!」と主張する記事を投稿。ネットで反論が続々と寄せられ、物議を醸している。「新人がやる気を見せるのなんて非常に簡単な事です。定時を過ぎてもとにかく他の社員に声を掛け、できる事を可能な限り手伝って帰ることです。定時なんか知らんがな精神でね」(キャリコネニュース 2016/11/29)
幸か不幸か、私が勤めていた会社は、新人にも膨大な量の仕事が与えられ、他人を手伝う余裕なんて全然なかった。
入社したての頃は、夜の10時が退館時刻で、電気が強制的に消される寸前まで仕事をするのが普通だった。
その時間まで残っているのは、入社5年目までの若手だけで、もっと上の社員はもっと早く帰っていた。
残業を記録するときは、最初の2時間をカウントせずに、3時間目以降の分だけ自己申告するのが慣例。
しかし、そうやっていても、通算するといずれ必ず36協定にひっかかるので、月末にはさらに調整しなければならなかった。
そうしないと、総務部長から呼び出しをくらって、書き直しを命じられるのだ。
「は?!本当はもっと残業してんだよ!」と言いたくなるところだが、こちとら人権が確立されていない超ペーペー。
無駄な抵抗になるのはわかっていたので、はじめから戦いを放棄していた。
そんな毎日を繰り返していた24年前のある日、3年目の先輩の行動に、私も含めオフィスにいた全員が驚いた。
定時を過ぎてまだ数分しかたっていないのに、突然立ち上がって、「じゃ、帰りまーす」と言って帰ってしまったのだ。
一瞬の出来事だったし、あまりに軽い口調だったので、しばらくあっけにとられてしまった。
その先輩は有能な人で、周りから一目置かれる存在だった。
ふだんは温厚だけど、自分が正しいと思ったら、上司だろうと誰だろうと関係なくストレートに主張する、とてもとんがった人だった。
性は違えど、米倉涼子演じる「ドクターX」の大門未知子に近いイメージだ。
入社1年目の私は、先輩の切れ味鋭い仕事ぶりに、いつも感心していた。
そんな先輩の、突然の定時退社だ。
誰も異議を唱えず、彼が去ったあと、残された人々で思わず目を合わせる始末。
最近のことではない。
もう一度書くが、今から24年前の話だ。
あとから聞いたところによると、彼は地元の劇団で役者兼監督を務めていて、その日は稽古があったらしい。
こんな忙しい会社で働きながら、そんなことまでしているなんてすごいなあと、さらに尊敬の念を深めてしまった。
働き始めたころにあの姿を見ているので、どうしても早く帰りたい時は、私もサッと立ってサッと出ていくようにしていた。
自分がそうだったので、部下を持つようになり、彼らが早く帰ったとしても全然気にならなかった。
それどころか、時代が変わり、部下の残業は上司が見届けるルールになってしまった。
結局最後に帰るのは、この私だ。
なんだよ、新人時代と一緒じゃねーか。
こうなると、残業する部下にかける言葉も、自然とこうなる。
「まだ残業するの?」
「その仕事、明日でもいいんじゃないの?」
「ねえ、もう帰ろうよ」
なんてやさしい上司だったんでしょ、私って。
だから、「やる気を見せるために残業する」なんてアホらしい話だし、それが通常営業だとしたら、残念な職場としか言いようがない。
新人だって、早く帰りたい時は、「じゃ、帰りまーす」と言って帰ってもいいのだよ!
…その後の責任は持てませんけど。
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