私が読んだ本をレビューする記事の第17弾。
今回も、最近読んだ
(ネタバレはありません)
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デビュー作でメフィスト賞を受賞した著者の、2作目となるラノベ風本格ミステリー。
すべてのトリックが成立しないことを立証して、この世に奇跡が存在することを証明しようとする探偵、上苙丞(うえおろじょう)が主人公という、多重解決ならぬ多重非解決ミステリーだ。
本書のタイトルを決め台詞につかう上苙はカッコいいし、チャイナ美女フーリンの容赦ない突っ込みも面白い。
そんなアニメ的キャラばかり登場するものの、私の頭では理解しきれないほど謎解きの難易度は高く、まさに本格の名にふさわしい。
今年、続編も出ているので、早く読んで、あの個性豊かな連中に再会したいものだ。
来年2月に妻夫木聡主演の映画が公開される、直木賞候補の叙述ミステリー。
一家四人惨殺事件の関係者への取材を通して、事件の裏に隠された、人間たちの愚かな姿が暴かれていく。
インタビューに対するモノローグで話は進むので、とても読みやすくて、一気に読了してしまった。
悲惨な家庭に育った、誰かの妹による回想が、インタビューの合間に、はさまれているのだが、その意味が明らかになる終盤は鳥肌が立った。
映画の方は、配役の時点ですでに重要なネタバレになっているようなので、今のうちに原作に触れておくことをオススメしたい。
井上靖のデビュー作である「猟銃」、芥川賞受賞作の「闘牛」の2編に、「比良のシャクナゲ」を加えた初期短編集。
3人の女(妻・義妹・姪)の手紙を元に、ひとりの男をめぐる愛と憎悪を描いた「猟銃」は、文学と呼ぶにはあまりに昼ドラ的でドロドロしていて、小説の醍醐味を味あわせてくれた。
新聞社の社運を賭けた闘牛イベントに奔走する人々を描いた「闘牛」も、敗戦直後の日本人のバイタリティと哀しみが表れていてよかった。
仕事にしか自分を見いだせない年老いた研究者の姿を描いた「比良のシャクナゲ」は、傍から見ると迷惑な老害でしかない男の、偏った人生観を描ききっていてうならされた。
井上靖は初めて読んだのだが、ここまで没頭できるとは思っていなかった。もっと読まなきゃ。
江戸川乱歩賞を受賞し、2014年の「このミス」国内編でも3位となった、著者のデビュー作。
中国残留孤児の兄に疑惑を抱く盲目の弟が、文字通りの暗闇の中を、文字通りの手さぐりで真相を追っていく。
目が見えないハンディを負った主人公という設定のハードルは高く、戦争によって引き裂かれた家族の悲劇というテーマもヘビーだ。
そしてそれがただの設定やテーマではなく、本作の謎と密接に関わっていて不可分なところにも舌を巻く。
散りばめられた伏線の回収も、すべてがひっくり返る終盤の展開も、ただただすごいとしか言いようがなく、こんな新人が現れていたことに心底驚いた。
フランスミステリー界の新星が放った、マルセイユ推理小説賞受賞のクライムサスペンス。
40年前に名画を強奪して100万ドルを手に入れた男と、元カノの実家に盗みに入ろうとする青年という、交互に語られるふたつのドラマがある一点で交差する筋立ては、そう珍しくはない。
しかしそのあとは、予想の斜め上を行くストーリーが展開され、まったく思いもよらない終着点へと連れて行かれるのだ。
読み終わったあと、タイトルの持つ意味に納得し、表紙のイラストを感慨深く眺めてしまった。
去年の「このミス」海外編で15位となった作品だが、この満足度なら、もっともっと評価されてもよかった一冊だ。
この5冊を加えると、今年読んだ本は66冊。
目標の100冊まで、あと34冊だ!
今回も、最近読んだ
- その可能性はすでに考えた/井上真偽(2015)
- 愚行録/貫井徳郎(2006)
- 猟銃・闘牛/井上靖(1949)
- 闇に香る嘘/下村敦史(2014)
- 悪意の波紋/エルヴェ・コメール(2011)
(ネタバレはありません)
その可能性はすでに考えた/井上真偽(2015)
デビュー作でメフィスト賞を受賞した著者の、2作目となるラノベ風本格ミステリー。
すべてのトリックが成立しないことを立証して、この世に奇跡が存在することを証明しようとする探偵、上苙丞(うえおろじょう)が主人公という、多重解決ならぬ多重非解決ミステリーだ。
本書のタイトルを決め台詞につかう上苙はカッコいいし、チャイナ美女フーリンの容赦ない突っ込みも面白い。
そんなアニメ的キャラばかり登場するものの、私の頭では理解しきれないほど謎解きの難易度は高く、まさに本格の名にふさわしい。
今年、続編も出ているので、早く読んで、あの個性豊かな連中に再会したいものだ。
| その可能性はすでに考えた (講談社ノベルス) | |
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愚行録/貫井徳郎(2006)
来年2月に妻夫木聡主演の映画が公開される、直木賞候補の叙述ミステリー。
一家四人惨殺事件の関係者への取材を通して、事件の裏に隠された、人間たちの愚かな姿が暴かれていく。
インタビューに対するモノローグで話は進むので、とても読みやすくて、一気に読了してしまった。
悲惨な家庭に育った、誰かの妹による回想が、インタビューの合間に、はさまれているのだが、その意味が明らかになる終盤は鳥肌が立った。
映画の方は、配役の時点ですでに重要なネタバレになっているようなので、今のうちに原作に触れておくことをオススメしたい。
| 愚行録 (創元推理文庫) | |
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猟銃・闘牛/井上靖(1949)
井上靖のデビュー作である「猟銃」、芥川賞受賞作の「闘牛」の2編に、「比良のシャクナゲ」を加えた初期短編集。
3人の女(妻・義妹・姪)の手紙を元に、ひとりの男をめぐる愛と憎悪を描いた「猟銃」は、文学と呼ぶにはあまりに昼ドラ的でドロドロしていて、小説の醍醐味を味あわせてくれた。
新聞社の社運を賭けた闘牛イベントに奔走する人々を描いた「闘牛」も、敗戦直後の日本人のバイタリティと哀しみが表れていてよかった。
仕事にしか自分を見いだせない年老いた研究者の姿を描いた「比良のシャクナゲ」は、傍から見ると迷惑な老害でしかない男の、偏った人生観を描ききっていてうならされた。
井上靖は初めて読んだのだが、ここまで没頭できるとは思っていなかった。もっと読まなきゃ。
| 猟銃・闘牛 (新潮文庫) | |
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闇に香る嘘/下村敦史(2014)
江戸川乱歩賞を受賞し、2014年の「このミス」国内編でも3位となった、著者のデビュー作。
中国残留孤児の兄に疑惑を抱く盲目の弟が、文字通りの暗闇の中を、文字通りの手さぐりで真相を追っていく。
目が見えないハンディを負った主人公という設定のハードルは高く、戦争によって引き裂かれた家族の悲劇というテーマもヘビーだ。
そしてそれがただの設定やテーマではなく、本作の謎と密接に関わっていて不可分なところにも舌を巻く。
散りばめられた伏線の回収も、すべてがひっくり返る終盤の展開も、ただただすごいとしか言いようがなく、こんな新人が現れていたことに心底驚いた。
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悪意の波紋/エルヴェ・コメール(2011)
フランスミステリー界の新星が放った、マルセイユ推理小説賞受賞のクライムサスペンス。
40年前に名画を強奪して100万ドルを手に入れた男と、元カノの実家に盗みに入ろうとする青年という、交互に語られるふたつのドラマがある一点で交差する筋立ては、そう珍しくはない。
しかしそのあとは、予想の斜め上を行くストーリーが展開され、まったく思いもよらない終着点へと連れて行かれるのだ。
読み終わったあと、タイトルの持つ意味に納得し、表紙のイラストを感慨深く眺めてしまった。
去年の「このミス」海外編で15位となった作品だが、この満足度なら、もっともっと評価されてもよかった一冊だ。
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この5冊を加えると、今年読んだ本は66冊。
目標の100冊まで、あと34冊だ!
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実は私もです!
先月で79冊だったので、あと21冊です。
先月15冊読んだので、100冊が狙えそうになってきました。
9月までのペースだと100冊まで厳しいかなと思っていたのですが、お互いに100冊目指して頑張りましょう!