まずはじめに誤解のないようにしておきたい。

私は会社や仕事が大好きな人々を尊敬しており、感謝もしている。

彼らの労苦をいとわない働きが今の日本を支えているのであり、私が「セミリタイアな日々」を送れるのも彼らあってこそだから。

これから記事にする同期のNも、そういう意味においてはありがたい存在である。



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Nは、私と同じ年に同じ会社に入った大勢いる同期のひとり。

本社での新入社員研修が終わり、彼は北海道のある地方に配属された。

配属が札幌だった私とは会う機会はそう多くはなかったが、たまに道内勤務組で集まったりして親交を深めていた。


しかし私はその頃からNが苦手だった。

あまりにも社交的すぎるのだ。

相手が誰であろうと分け隔てなく、強い押し出しで接する彼のパワーには、そばにいるだけで圧倒される。

内気な本性をひた隠し、懸命に明るくふるまっている私のうわべだけの笑顔ではまったく太刀打ちできなかった。


そんな彼だから仕事をすればすこぶる有能で、同期の中ではトップランナーの出世を果たす。

早いうちから責任のある役職につき、激しいプレッシャーをはね返して実績を挙げていた。

彼の名前がボードの端っこに載る日も、そう遠くはないだろう。



そんなNと最後に会ったのは、数年前のこと。

私が勤務していた場所に、彼が出張でやってきたのだ。

その時すでにかなり出世していたNは、地方の一スタッフだった私と、同じ職場にいたもうひとりの同期を飲みに誘った。

社内的な格差はあれど、田舎の居酒屋に同期だけで集まればそんなのは関係ない。

気の置けない仲間同士の楽しいバカ話で盛り上がるものと、私は思っていた。


しかし、Nの思惑は違ったのだ。

乾杯のあと、彼は大声でこう言い放った。

「オレはお前たちと仕事の話がしたいんだ!」


その後2時間にわたり、会社の将来や問題点について喧々諤々の議論が続いた。

会が終わり、Nはこう言ってその日の宿へ帰っていった。

「今日は本当にいい飲み会だった!またやろうな!」

颯爽と歩き去るNの後ろ姿を見送り、疲れ切った体で帰宅したのは言うまでもない。



私は飲みの場で仕事の話をするのが昔から好きではない。

内容が前向きであろうと後ろ向きであろうと関係なく、仕事の話はつまらないのだ。

上司の誘いは断れないので仕事トーク好きな人には合わせるけど、そういう飲み会はただしんどいだけ。

だから私が後輩を連れて行くときは、「今日は仕事の話禁止!」とけん制していた。

でないとせっかくの楽しいお酒がまずくなっちゃって、お金も時間ももったいないからね。



あの飲み会が決定打となり、以後私はNとは一度も会わず、退社後も連絡を取っていない。

携帯の番号もとっとと削除しちゃった。

もう私の人生とは関わり合いのない人なのだ。

退社していなければ、同じ会社だし同期だし、しかも相手はえらくなっちゃっているから無視なんてできないだろう。

決して悪いやつじゃないんだけど、とにかくとことん苦手。

しかしセミリタイアしたからこそ、疲れるポジティブ同期との縁も切ることができた。

これって間違いなくWin-Win だよね。

Nにはぜひ社長を目指してがんばってほしいものだ。


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