私が読んだ本をレビューする記事の第15弾。
今回も、最近読んだ
(ネタバレはありません)
【スポンサード リンク】
「ほぼ日刊イトイ新聞」に掲載された著者の愛犬ブイヨンの写真をまとめた一冊。
ジャックラッセルテリアが見せるさまざまな表情は、犬好きにはたまらないはず。
ブイヨンと著者だけでなく、奥さんの樋口可南子も顔をのぞかせていて、糸井家のふんわりした雰囲気も垣間見える。
しかし私はこの本を読んで、自分は圧倒的にねこ派であることに、改めて気づかされた。
ねこだったらどんな顔かたちでも愛する自信はあるけど、ブイヨンにはそこまでの感情が浮かばなかったのでね。
「このミス」国内編の第1位に輝き、その後ドラマにも映画にもなった警察小説の金字塔。
記者クラブとの確執に懊悩する元刑事の広報官・三上は、自分が関わった誘拐事件、通称「64」に隠された秘密を知り、D県警の内部抗争に自らを投じていく。
先に映画を観て、ネタはわかっていたので、謎に対する丁寧な伏線の張り方と、よく練りこまれた構成の妙に感心した。
三上の葛藤は映画の佐藤浩市以上に深く、感情ほとばしる文章の熱気にあてられて、荒れ狂う騒動の最中に一緒に放り込まれたような気がした。
映画が原作に忠実だったことはわかったのだが、画になると大げさに感じてしまったので、こういうのは頭の中で想像するのがいいという事実を、改めて認識した次第。
昨年の「このミス」海外編で8位となった、北アイルランドの新鋭作家によるリーガルエンタテインメント。
ロシアンマフィアに娘を人質に取られた弁護士は、とんでもない要求をされながらも、窮地を脱するべく奮闘する。
法廷シーンもたっぷりあって、裁判の面白さも満喫できるが、本書の魅力はそれにとどまらない。
愛する娘を助けるために、知力・体力に加えて特殊な人脈もフル活用して、強大な敵に反撃を試みるのだ。
スリリングな見せ場も多く、ミステリーとしての価値も一級品。ぜひとも映画化してほしい一冊だ。
3億円の宝くじに当選した男が、「お金と幸せの答え」を求めて歩く姿を描いた、「せかねこ」著者の小説第2弾。
大金について相談した親友に3億円を持ち逃げされた図書館司書の一男は、親友を知る者をひとりずつたずねていく。
そこで語られるお金トークや、偉人たちの金言に触れながら、「お金があればしあわせになれるのか」「お金があっても買えないものは何か」について一緒に考えることになる。
その答えに意外性はなかったし、誰もが興味を持つテーマを取り上げたことにあざとさを感じないでもない。
でも、軽いタッチの文章は一気に読めて面白かったので、少なくとも3億円当たった人には必読の書だろう。
タイトルどおり、7つのさまざま会議を通じて、どんな会社にも起こりうるクライシスを描いた連作短編集。
やる気のない窓際係長が、有能な若手課長をパワハラで訴えたことから、物語は始まる。
しかし、主役の異なる話を読み進むうちに、この会社に隠されたある秘密が明らかになっていく。
巨悪をぎゃふんと言わせるいつもの池井戸節とは毛色が違うので、読み終わってもさほど爽快感は得られない。
でも、会社勤めをしている人、したことのある人なら、老若男女を問わず身につまされそうな、ほろ苦い正義感にあふれた秀作だった。
この5冊を加えると、今年読んだ本は56冊。
目標の100冊まで、あと44冊だ!
今回も、最近読んだ
- ブイヨンの気持ち。/糸井重里(2009)
- 64 ロクヨン/横山秀夫(2012)
- 弁護士の血/スティーヴ・キャヴァナー(2015)
- 億男/川村元気(2014)
- 七つの会議/池井戸潤(2012)
(ネタバレはありません)
ブイヨンの気持ち。/糸井重里(2009)
「ほぼ日刊イトイ新聞」に掲載された著者の愛犬ブイヨンの写真をまとめた一冊。
ジャックラッセルテリアが見せるさまざまな表情は、犬好きにはたまらないはず。
ブイヨンと著者だけでなく、奥さんの樋口可南子も顔をのぞかせていて、糸井家のふんわりした雰囲気も垣間見える。
しかし私はこの本を読んで、自分は圧倒的にねこ派であることに、改めて気づかされた。
ねこだったらどんな顔かたちでも愛する自信はあるけど、ブイヨンにはそこまでの感情が浮かばなかったのでね。
ブイヨンの気持ち。 (ほぼ日ブックス) | |
![]() | 糸井重里,ほぼ日刊イトイ新聞,長野ともこ Amazonで詳しく見る |
64 ロクヨン/横山秀夫(2012)
「このミス」国内編の第1位に輝き、その後ドラマにも映画にもなった警察小説の金字塔。
記者クラブとの確執に懊悩する元刑事の広報官・三上は、自分が関わった誘拐事件、通称「64」に隠された秘密を知り、D県警の内部抗争に自らを投じていく。
先に映画を観て、ネタはわかっていたので、謎に対する丁寧な伏線の張り方と、よく練りこまれた構成の妙に感心した。
三上の葛藤は映画の佐藤浩市以上に深く、感情ほとばしる文章の熱気にあてられて、荒れ狂う騒動の最中に一緒に放り込まれたような気がした。
映画が原作に忠実だったことはわかったのだが、画になると大げさに感じてしまったので、こういうのは頭の中で想像するのがいいという事実を、改めて認識した次第。
合本 64(ロクヨン)【文春e-Books】 | |
![]() | 横山秀夫 Amazonで詳しく見る |
弁護士の血/スティーヴ・キャヴァナー(2015)
昨年の「このミス」海外編で8位となった、北アイルランドの新鋭作家によるリーガルエンタテインメント。
ロシアンマフィアに娘を人質に取られた弁護士は、とんでもない要求をされながらも、窮地を脱するべく奮闘する。
法廷シーンもたっぷりあって、裁判の面白さも満喫できるが、本書の魅力はそれにとどまらない。
愛する娘を助けるために、知力・体力に加えて特殊な人脈もフル活用して、強大な敵に反撃を試みるのだ。
スリリングな見せ場も多く、ミステリーとしての価値も一級品。ぜひとも映画化してほしい一冊だ。
弁護士の血 (ハヤカワ・ミステリ文庫) | |
![]() | スティーヴ キャヴァナー,横山 啓明 Amazonで詳しく見る |
億男/川村元気(2014)
3億円の宝くじに当選した男が、「お金と幸せの答え」を求めて歩く姿を描いた、「せかねこ」著者の小説第2弾。
大金について相談した親友に3億円を持ち逃げされた図書館司書の一男は、親友を知る者をひとりずつたずねていく。
そこで語られるお金トークや、偉人たちの金言に触れながら、「お金があればしあわせになれるのか」「お金があっても買えないものは何か」について一緒に考えることになる。
その答えに意外性はなかったし、誰もが興味を持つテーマを取り上げたことにあざとさを感じないでもない。
でも、軽いタッチの文章は一気に読めて面白かったので、少なくとも3億円当たった人には必読の書だろう。
億男 | |
![]() | 川村元気 Amazonで詳しく見る |
七つの会議/池井戸潤(2012)
タイトルどおり、7つのさまざま会議を通じて、どんな会社にも起こりうるクライシスを描いた連作短編集。
やる気のない窓際係長が、有能な若手課長をパワハラで訴えたことから、物語は始まる。
しかし、主役の異なる話を読み進むうちに、この会社に隠されたある秘密が明らかになっていく。
巨悪をぎゃふんと言わせるいつもの池井戸節とは毛色が違うので、読み終わってもさほど爽快感は得られない。
でも、会社勤めをしている人、したことのある人なら、老若男女を問わず身につまされそうな、ほろ苦い正義感にあふれた秀作だった。
七つの会議 | |
![]() | 池井戸潤 Amazonで詳しく見る |
この5冊を加えると、今年読んだ本は56冊。
目標の100冊まで、あと44冊だ!
↓↓↓↓↓ランキング参加中↓↓↓↓↓ | |
---|---|
![]() ![]() にほんブログ村 |
人気ブログランキング |