さよなら 大好きな店」で、私が札幌に帰還する直前に、閉店してしまったお店について書いた。

同様に、昨年末、惜しまれながら閉館した映画館がある。

今日の記事は、その小屋の思い出について。

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それは、札幌駅北口にあった、「蠍座」という名画座だ。

北海道唯一の名画座・蠍座12/30に「笑顔で」閉館

北海道・札幌市の映画館、蠍座が2014年12月30日をもって閉館することが、蠍座が毎月発行する「蠍座通信」で発表された。

「蠍座通信」最終号の文章のなかで、館主の田中次郎氏は「館主の強い好みを反映した映画を数多くかけつづけてここまでこれたのは、奇跡みたいなものです」「わたしにあともう少し経営能力がそなわっていたらもっと上手にやれたはずなのに、なさけないことですがうまくいきませんでした」と、18年6ヵ月間の営業の幕を閉じることを発表した。
(webDICE 2014/12/2)

私が学生だった頃、札幌にはたくさんの映画館があった

名画座も多く、貧乏学生にとっては頼りになる存在だった。

その後、シネコンの台頭により、封切館も名画座も淘汰されていった。

そんな逆境の中、あえて立ち上がったのが、蠍座だったのだ。


私がお世話になったのは、前回の札幌勤務時代。

いつも3本の作品が、入れ替わりながら上映されていて、1本観たら800円、2本なら1200円、3本なら1700円と、リーズナブルな料金で観ることができた。

大して売上げに貢献したわけでもなく、大変申し訳ない客だったけど、観た映画の記憶は鮮烈に残っている。

封切りでスルーしてしまった「バタフライ・エフェクト」は、珠玉のタイムトラベルSFだった。

「ある子供」「イゴールの約束」でダルデンヌ兄弟を知ったのも、ここだった。

フランソワ・オゾンの映画も、ここで初めて鑑賞した。

不勉強極まりない自称シネマディクトにとって、ここは大切な寺子屋のような存在だった。


月1で発行される「蠍座通信」も楽しみだった。

sasoriza

館主の田中さんの書く文章は、映画への造詣が深く、とても勉強になった。

率直すぎるぐらいの物言いも、映画への愛情にあふれていて、いちいち納得させられた。

強引に途中入場しようとするババアを断ったエピソードは、スカッとしたなあ。


12月30日の最終日、最後に上映されたのは、「ヨコハマ・メリー」。

横浜風俗史に名を残す伝説の高級娼婦、メリーさんの今を追ったドキュメンタリーだ。

2006年8月、私はこの映画を蠍座で観せてもらった。

圧倒的な存在感のメリーさんと、道内最後の名画座としてひとり気を吐いてきた蠍座の姿が、重なるように見えるのは私だけだろうか。


札幌に引っ越したあとは、足繁く通うつもりいたので、閉館のニュースには声を上げて驚いてしまった。

今の時代、映画館経営が大変なのはわかる。

まったく支えてあげられなかったのが、残念で仕方ない。

本当にお世話になりました。ありがとうございました。


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