今日の記事はぜひ、あの「花×花」の名曲に乗せて読んでいただきたい。
私のセミリタイアが、残念ながら間に合わなかった、という話だ。
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私のセミリタイアが、残念ながら間に合わなかった、という話だ。
狸小路界隈をうろうろしていた、ある平日の昼下がり。
ランチをどこで食べようか考えて、この店が頭に浮かんだ。
場所は二条市場の近くなので、歩みを東に向けた。
市場の海産物には目もくれず、店の近くまで行くと、シャッターが降りている。
「残念、休みだったか」と思ったが、それにしては様子が変だ。
お店の前の歩道が、全然雪かきされておらず、お店自体が半分埋もれてしまっているのだ。
まさかと思い、さらに近づいてみると、シャッターに紙が貼ってある。
だが、雪が邪魔して、読める距離までも近づけない。
仕方なくそこを離れて、別の店に移動した。
帰宅して食べログで調べたら、案の定閉店していた。
しかも去年の年末、12月20日だ。
ガーン! もう少し待ってくれたら、私の札幌帰還に間に合ったのに…。
この宝華園は、23年前、私が札幌で働き出した頃からのつきあいだ。
当時から夫婦ふたりで、お店を切り盛りしていた。
ラーメンと定食の手書きメニューが、短冊のように壁一面を占めていた。
客は、スーツを着たサラリーマンか、作業着を着た現場関係者ばかり。
女性が入ってくることは滅多にない。
私は、週一ペースで通ってました。
最初の頃は、いろんなメニューを頼んでいたけど、ある日食べた定食に、雷が落ちたような衝撃を受けて、それ以来そればかりを注文していた。
そのメニューの名は、「肉ナス炒め定食」。
豚肉となす、にんじんとピーマンとたけのこを、あんかけにした炒め物で、ご飯がどんどんすすむ、絶妙の非健康的な味付けがされている。
すごいのは、この中のなすだ。
輪切りにしたなすの食感が、油で炒めたとは思えないほど、しっかりしているのだ。
これだけちゃんと油を吸っていれば、普通はしんなりしちゃうはず。
なのに、なんでこんなに歯ごたえがあるんだろう?
45年間生きてきたけど、こんなにうまいなす料理を出す店を、私は知らない。
この感じを再現したくて、私も自宅で何度かチャレンジしてみた。
最終的に行き着いたのは、最初にまず軽く茹であげて、中まで熱を通してから、最後にさっと炒めるという方法。
ジャンクな炒め物だと思っていたけど、ちゃんと下ごしらえして作っているところを想像すると、あのおじいちゃん、ただもんではないと思ったね。
札幌から転勤したあとも、あの味が忘れられなくて、帰省するたびに必ず顔を出していた。
いつまで続くか心配していないわけではなかったので、開いているのを見るたびに、ホッとしていたのだ。
でも、その日はやってきてしまったのね。
食べログに、貼り出されていた紙の写真がアップされていた。
なんと、41年前からやってた店だったとは。
ご主人も奥さんも、相当な歳だったんだろうね。
長いあいだ、お世話になりました。
本当にお疲れ様でした。
あの“肉ナス”の味は、一生忘れませんよ。
ランチをどこで食べようか考えて、この店が頭に浮かんだ。
場所は二条市場の近くなので、歩みを東に向けた。
市場の海産物には目もくれず、店の近くまで行くと、シャッターが降りている。
「残念、休みだったか」と思ったが、それにしては様子が変だ。
お店の前の歩道が、全然雪かきされておらず、お店自体が半分埋もれてしまっているのだ。
まさかと思い、さらに近づいてみると、シャッターに紙が貼ってある。
だが、雪が邪魔して、読める距離までも近づけない。
仕方なくそこを離れて、別の店に移動した。
帰宅して食べログで調べたら、案の定閉店していた。
しかも去年の年末、12月20日だ。
ガーン! もう少し待ってくれたら、私の札幌帰還に間に合ったのに…。
この宝華園は、23年前、私が札幌で働き出した頃からのつきあいだ。
当時から夫婦ふたりで、お店を切り盛りしていた。
ラーメンと定食の手書きメニューが、短冊のように壁一面を占めていた。
客は、スーツを着たサラリーマンか、作業着を着た現場関係者ばかり。
女性が入ってくることは滅多にない。
私は、週一ペースで通ってました。
最初の頃は、いろんなメニューを頼んでいたけど、ある日食べた定食に、雷が落ちたような衝撃を受けて、それ以来そればかりを注文していた。
そのメニューの名は、「肉ナス炒め定食」。
豚肉となす、にんじんとピーマンとたけのこを、あんかけにした炒め物で、ご飯がどんどんすすむ、絶妙の非健康的な味付けがされている。
すごいのは、この中のなすだ。
輪切りにしたなすの食感が、油で炒めたとは思えないほど、しっかりしているのだ。
これだけちゃんと油を吸っていれば、普通はしんなりしちゃうはず。
なのに、なんでこんなに歯ごたえがあるんだろう?
45年間生きてきたけど、こんなにうまいなす料理を出す店を、私は知らない。
この感じを再現したくて、私も自宅で何度かチャレンジしてみた。
最終的に行き着いたのは、最初にまず軽く茹であげて、中まで熱を通してから、最後にさっと炒めるという方法。
ジャンクな炒め物だと思っていたけど、ちゃんと下ごしらえして作っているところを想像すると、あのおじいちゃん、ただもんではないと思ったね。
札幌から転勤したあとも、あの味が忘れられなくて、帰省するたびに必ず顔を出していた。
いつまで続くか心配していないわけではなかったので、開いているのを見るたびに、ホッとしていたのだ。
でも、その日はやってきてしまったのね。
食べログに、貼り出されていた紙の写真がアップされていた。
なんと、41年前からやってた店だったとは。
ご主人も奥さんも、相当な歳だったんだろうね。
長いあいだ、お世話になりました。
本当にお疲れ様でした。
あの“肉ナス”の味は、一生忘れませんよ。
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長い間お店を切り盛りしていた老夫婦が「もう閉めようか・・・」って決めた時の寂しさは、並大抵の感情ではなかったんじゃないかと、勝手に想像してしまいました。
Taoさんの優しさも感じられる記事でしたよ。