先日の大林宣彦監督に続いて、私の敬愛する映画人がまたひとり鬼籍に入った。

イギリス出身の巨匠、アラン・パーカー監督だ。

今日は、彼の追悼記事を書くことにしたい。

(ネタバレはありません)



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アラン・パーカー氏死去 映画「Mエクスプレス」監督
「ミッドナイト・エクスプレス」「エビータ」などの作品で知られる英映画監督アラン・パーカー氏が31日死去した。76歳。(中略)長く病気を患っていたという。
(時事ドットコム 2020/8/1)

2003年の「ライフ・オブ・デビッド・ゲイル」が遺作となったわけだが、もう20年近く一線を離れていたのが闘病のためとは知らなかった。

また新作を届けてくれるものと期待していたんだけど、叶わぬ夢となってしまった。



私が彼の作品に初めて触れたのは、オリバー・ストーンが脚色を担当してアカデミー賞を受賞した「ミッドナイト・エクスプレス」

トルコの刑務所に閉じ込められたアメリカ人青年の悲劇を描いた異色作だ。

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私が観たのは1978年の公開時ではなく、数年後の年始のテレビ放送。

お正月の昼下がりにそぐわないハードなストーリーで、何の前知識もなかった中学生の私は言葉にできないほどの衝撃を受けた。

トルコには一生行かないって決めたもんね。



その数年後、おすぎのラジオで耳にしたのが、カンヌで審査員特別グランプリを獲った「バーディ」

鳥好きの青年と彼を見守る親友の、唯一無二の友情を描いた傑作だ。

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おすぎの絶賛を聴いて「観たい!」と思ったのだが、田舎の映画館ではかけてくれない。

そこで、別件で父と一緒に行った札幌で、今はなき小劇場のポーラスターに飛びこんだのだ。

高校1年の冬だった。

2時間後、映画館を出た私の人生は変わっていた。

16歳にして「生涯最高の映画」に出会ってしまったのだから。

あれはまさに、天啓。

「『バーディ』を超える映画はもう絶対に現れない」ってわかっちゃったのよね。

実際、その通りになっているし。

これが、私がアラン・パーカーを敬愛する理由である。


レーザーディスクを買っては何度も観て、DVDを買っては何度も観た「バーディ」。

最近はご無沙汰だったのだが、余命を意識した50歳の誕生日に久しぶりに鑑賞した。

そんな映画を撮った監督は、人生の大恩人と言ってもいい。

どうぞ安らかにお眠りください。



最後に、こんなブログを偶然目にした業界関係者がいたら、ぜひお願いしたいことがある。

今の日本では観ることができないパーカー監督の作品があるのだ。

それは、1982年の「シュート・ザ・ムーン」という映画。

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離婚に向かう夫婦の葛藤を描いた、辛辣なファミリームービーだ。

私が観たのは大学時代で、場所はこれまた今はなき札幌三越名画劇場。

まだガキだったくせに、この大人の映画にはすっかりやられてしまった。

DVDもBDも日本では未発売だし、配信サービスでも流れているのを見たことがないのだが、死ぬまでにもう1回観たいのよね。

監督の死去をきっかけに、この名作にもスポットが当たることを希望します。



今日は監督を追悼して、朝から「ミッドナイト・エクスプレス」を観た。

緊張感の途切れることのない2時間は、今観てもまったく色あせていなかった。

未見の作品もまだあるので、近いうちに全部観ようっと。


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