私が読んだ本をレビューする記事の第14弾。
今回も、最近読んだ
(ネタバレはありません)
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ドイツミステリ大賞を受賞した、ねこが主役のドイツ製ミステリー。
雄ねこのフランシスが、飼い主とともに引っ越してきた街で、連続殺ねこ事件に巻き込まれる。
飼い主を飼い主とも思わない、常に上から目線のフランシスの考え方や態度は、ねこ好きには「わかるー」って感じで、ねこの話なのに共感しまくり。
しかもこのフランシス、その辺の人間よりも全然賢くて、原題の"Felidae(ネコ科)"全体に影響する事件の解明に、果敢に立ち向かっていく。
巻末に、ねこの習性についての詳しい注釈集もついているので、ねこが理解できない人でも全然OKだ。
直木賞受賞作である前作から数年後の佃製作所を描く企業小説。
ロケットから医療用製品の開発にテーマを移すも、姑息な連中の汚いやり口を、不屈の精神ではね返す熱い社員たちは健在だ。
ただ、敵がどんどん大きくなるにつれて、盛り上がりも複数用意されていた前作に比べると、本作はちょっとおとなしい感じがする。
敵をやりこめた時の決め台詞も、前作の方が爽快だった。
でも、水準以上の面白さに満足したので、去年放映されたドラマの方も、そろそろ観てみようかな。
直木賞作家・黒川博行の受賞後第一作となった犯罪サスペンス。
裕福な老人から命と財産を奪い続ける後妻業の女と、結婚紹介所の所長が重ねる悪魔の所業が、圧倒的な筆致で描かれている。
この二人の金に汚ないやりとりが、読んでいて反吐が出そうになるほどリアルですごい。
やつらを追い込んでいく探偵の、地道で的確な捜査も目を離せず、応援したくなる。
もうすぐ映画も公開されるけど、予告編を見るとコメディっぽくなっていたのがちょっと気になるなあ。
1940年から「婦人公論」に連載された9つの小説をまとめた短編集。
戦前の倫理観と、「夫婦のことは夫婦にしかわからない」的なエピソードが相まって、頭では理解できても、すぐには共感できない話が結構あった。
かと言って面白くなかったわけではなく、一見淡々としているのに実は強烈な内容ばかりで、「川端康成って、こういうのも書くんだ」と驚かされた。
昔別れた女の娘を嫁に出す「母の初恋」、ほくろを触るくせのせいで夫婦仲が変化する「ほくろの手紙」、仲の良い夫婦でもお互い知らないことがあるという現実を描く「夫唱婦和」、妊娠とともに妻の性格が激変する「子供一人」が、特に印象的だった。
「母の初恋」は映画にもなっているようなので、機会があったらぜひ観てみたい。
「その女アレックス」が衝撃的だった著者のデビュ一作。
われらがカミーユ・ヴェルーヴェン警部の最初の事件は、前代未聞の動機による猟奇的な連続殺人だ。
その結末は、続編の「その女アレックス」を先に読んで知っているため、面白さが半減するんじゃないかと危惧していた。
もちろん何も知らずに読んだ方が驚愕の度合いは大きいはずだけど、本作はそれを上回る謎と仕掛けがあって、順番が逆でも十分に満足できる内容だった。
最初に目次を見たら2部構成になっていて、第1部がやけに長いなあとは思ったんだが、まさかこんなすごい話とは恐れ入りました。
この5冊を加えると、今年読んだ本は51冊。
目標の100冊まで、あと49冊だ!
今回も、最近読んだ
- 猫たちの聖夜/アキフ・ピリンチ(1989)
- 下町ロケット2 ガウディ計画/池井戸潤(2015)
- 後妻業/黒川博行(2014)
- 愛する人達/川端康成(1941)
- 悲しみのイレーヌ/ピエール・ルメートル(2006)
(ネタバレはありません)
猫たちの聖夜/アキフ・ピリンチ(1989)
ドイツミステリ大賞を受賞した、ねこが主役のドイツ製ミステリー。
雄ねこのフランシスが、飼い主とともに引っ越してきた街で、連続殺ねこ事件に巻き込まれる。
飼い主を飼い主とも思わない、常に上から目線のフランシスの考え方や態度は、ねこ好きには「わかるー」って感じで、ねこの話なのに共感しまくり。
しかもこのフランシス、その辺の人間よりも全然賢くて、原題の"Felidae(ネコ科)"全体に影響する事件の解明に、果敢に立ち向かっていく。
巻末に、ねこの習性についての詳しい注釈集もついているので、ねこが理解できない人でも全然OKだ。
猫たちの聖夜 (ハヤカワ文庫NV) | |
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下町ロケット2 ガウディ計画/池井戸潤(2015)
直木賞受賞作である前作から数年後の佃製作所を描く企業小説。
ロケットから医療用製品の開発にテーマを移すも、姑息な連中の汚いやり口を、不屈の精神ではね返す熱い社員たちは健在だ。
ただ、敵がどんどん大きくなるにつれて、盛り上がりも複数用意されていた前作に比べると、本作はちょっとおとなしい感じがする。
敵をやりこめた時の決め台詞も、前作の方が爽快だった。
でも、水準以上の面白さに満足したので、去年放映されたドラマの方も、そろそろ観てみようかな。
下町ロケット2 ガウディ計画 | |
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後妻業/黒川博行(2014)
直木賞作家・黒川博行の受賞後第一作となった犯罪サスペンス。
裕福な老人から命と財産を奪い続ける後妻業の女と、結婚紹介所の所長が重ねる悪魔の所業が、圧倒的な筆致で描かれている。
この二人の金に汚ないやりとりが、読んでいて反吐が出そうになるほどリアルですごい。
やつらを追い込んでいく探偵の、地道で的確な捜査も目を離せず、応援したくなる。
もうすぐ映画も公開されるけど、予告編を見るとコメディっぽくなっていたのがちょっと気になるなあ。
後妻業 (文春文庫) | |
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愛する人達/川端康成(1941)
1940年から「婦人公論」に連載された9つの小説をまとめた短編集。
戦前の倫理観と、「夫婦のことは夫婦にしかわからない」的なエピソードが相まって、頭では理解できても、すぐには共感できない話が結構あった。
かと言って面白くなかったわけではなく、一見淡々としているのに実は強烈な内容ばかりで、「川端康成って、こういうのも書くんだ」と驚かされた。
昔別れた女の娘を嫁に出す「母の初恋」、ほくろを触るくせのせいで夫婦仲が変化する「ほくろの手紙」、仲の良い夫婦でもお互い知らないことがあるという現実を描く「夫唱婦和」、妊娠とともに妻の性格が激変する「子供一人」が、特に印象的だった。
「母の初恋」は映画にもなっているようなので、機会があったらぜひ観てみたい。
愛する人達 | |
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悲しみのイレーヌ/ピエール・ルメートル(2006)
「その女アレックス」が衝撃的だった著者のデビュ一作。
われらがカミーユ・ヴェルーヴェン警部の最初の事件は、前代未聞の動機による猟奇的な連続殺人だ。
その結末は、続編の「その女アレックス」を先に読んで知っているため、面白さが半減するんじゃないかと危惧していた。
もちろん何も知らずに読んだ方が驚愕の度合いは大きいはずだけど、本作はそれを上回る謎と仕掛けがあって、順番が逆でも十分に満足できる内容だった。
最初に目次を見たら2部構成になっていて、第1部がやけに長いなあとは思ったんだが、まさかこんなすごい話とは恐れ入りました。
悲しみのイレーヌ (文春文庫) | |
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この5冊を加えると、今年読んだ本は51冊。
目標の100冊まで、あと49冊だ!
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