(「阪神淡路大震災を振り返る(前編)」の続き)
震災発生から3週間後の2月7日、関空に飛んだその日は大阪に宿泊。
翌8日、大阪の広報課員と一緒に、神戸に向けて出発した。
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震災発生から3週間後の2月7日、関空に飛んだその日は大阪に宿泊。
翌8日、大阪の広報課員と一緒に、神戸に向けて出発した。
JRに乗って神戸に向かうと、最初は何の変哲もない車窓の風景が、徐々に変わっていく。
線路のそばの家並みが、まるでパラパラ漫画のように、崩壊の度を増していくのだ。
それまでブラウン管を通して目にしてはいたものの、実際の光景には言葉を失った。
JRで神戸まで行くことはできず、途中の駅で降りた我々は、現地職員の出迎えてくれた車に乗って、神戸に向かった。
まずは現状を見てもらいたいとのことで、市内のあちこちを車でまわった。
崩れたビル。落ちた高速道路。焼けてまだくすぶっている集落。
テレビで見た風景が、次々と目の前に現れる。
社内報用に写真を撮らなければと思うのだが、冷静に対応できる気分にはなれなかった。
撮影しようと車を止めると、ただでさえ渋滞している車列が、さらに止まってしまうし。
それでもなんとか、最低限の枚数は確保した。
自分の家も大変なのに、顧客の家を訪問して安否確認をする職員たち。
仕事に対する使命感というのもあったと思うが、それだけじゃない。
一生に一度起こるかどうかの非常事態で、困っている他人のために自分ができることは何かを考えたら、自然とそういう行動になったんだろう。
顧客からの「ありがとう」の言葉を糧に、日々走り回る仲間たちの声を、できる限り拾い集めた。
夜は、小さな軒先を借りて、神戸牛をふるまうステーキ店に入った。
半分テントのようなお店で食べた肉の味は、今でも忘れられない。
どの業種でも、みんな必死で頑張っていることを教えてもらった。
その夜は、会社のビルの簡易ベッドで眠った。
3日間の取材を終えて、私は帰京した。
戦場のような空気から、今までどおりの日常に戻った。
普通の生活を送ることに、ちょっと罪悪感を覚えた。
社内報の増刊号は、その後突貫工事で編集を行い、次の週には全国の職員あてに配布された。
現地の人々の奮闘を、ほんの一部だけど、全国に知らせることができた。
そして、被災した神戸の職員からもお礼の言葉をもらった。
自分のやった仕事で、みんなが元気を出す役に立てたなら幸いだ。
あれから20年、今でも鮮明にあの光景を思い出す。
被害に遭い、命を落とされた方々のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
線路のそばの家並みが、まるでパラパラ漫画のように、崩壊の度を増していくのだ。
それまでブラウン管を通して目にしてはいたものの、実際の光景には言葉を失った。
JRで神戸まで行くことはできず、途中の駅で降りた我々は、現地職員の出迎えてくれた車に乗って、神戸に向かった。
まずは現状を見てもらいたいとのことで、市内のあちこちを車でまわった。
崩れたビル。落ちた高速道路。焼けてまだくすぶっている集落。
テレビで見た風景が、次々と目の前に現れる。
社内報用に写真を撮らなければと思うのだが、冷静に対応できる気分にはなれなかった。
撮影しようと車を止めると、ただでさえ渋滞している車列が、さらに止まってしまうし。
それでもなんとか、最低限の枚数は確保した。
自分の家も大変なのに、顧客の家を訪問して安否確認をする職員たち。
仕事に対する使命感というのもあったと思うが、それだけじゃない。
一生に一度起こるかどうかの非常事態で、困っている他人のために自分ができることは何かを考えたら、自然とそういう行動になったんだろう。
顧客からの「ありがとう」の言葉を糧に、日々走り回る仲間たちの声を、できる限り拾い集めた。
夜は、小さな軒先を借りて、神戸牛をふるまうステーキ店に入った。
半分テントのようなお店で食べた肉の味は、今でも忘れられない。
どの業種でも、みんな必死で頑張っていることを教えてもらった。
その夜は、会社のビルの簡易ベッドで眠った。
3日間の取材を終えて、私は帰京した。
戦場のような空気から、今までどおりの日常に戻った。
普通の生活を送ることに、ちょっと罪悪感を覚えた。
社内報の増刊号は、その後突貫工事で編集を行い、次の週には全国の職員あてに配布された。
現地の人々の奮闘を、ほんの一部だけど、全国に知らせることができた。
そして、被災した神戸の職員からもお礼の言葉をもらった。
自分のやった仕事で、みんなが元気を出す役に立てたなら幸いだ。
あれから20年、今でも鮮明にあの光景を思い出す。
被害に遭い、命を落とされた方々のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
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