日本最後の映画スターの訃報が、今日、日本中を驚かせ、悲しませた。

映画好きとして、このことに触れないわけにはいかない。

そこで、以前録画してあった特番を、今さらながら視聴した。

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このドキュメンタリーは、2年前の9月8日に放映された。

遺作となった『あなたへ』の撮影の様子を追ったもので、当時健さんは81歳。


<健さんの素顔>

酒もタバコもやらず、朝食はシリアルとヨーグルトを摂って、常に70kg以下をキープ。

俳優の唯一の資本は体だと、ストイックな生活を続けていた。


台本には会津八一の詩を貼り、山下達郎の『希望という名の光』を聴いて、力をもらう。

ボロボロになるまで読んだ愛読書は、『男としての人生~山本周五郎のヒーローたち』。

他人の生き方からも力を得て、演じる上での糧にしていた。


<プロの俳優とは>

明治大学を卒業したものの、サラリーマンになるのが嫌だった健さんは、映画プロデューサーに見初められて東映に入社。

俳優になろうとは思っていなくて、初めてドーランを塗った顔を鏡で見て、恥ずかしくて情けなくなった。

金と引き換えに、自分が見世物になってしまったような気がしたらしい。


すぐに主演デビューを果たし、任侠もので人気を博したものの、似たような映画を毎年何本も撮り続けるうちに疲れてきてしまい、仕事の意義を見いだせなくなった。

そんな時、自作がかかっている劇場で、熱狂している観客を見て、「映画は恐ろしいメディアだ」と思った。

そして、45歳で東映を辞めてフリーになった。


その後は、自分が納得できる作品にしか出演せず、共演した大先輩たちから、俳優は生き方が芝居に出ることを教えられた。

だから健さんはプロの俳優として、肉親の葬儀には一切出ないことを自分に課していた。

出れば、撮影がストップするから。

母親が亡くなった時も、『あ・うん』の撮影中だったが、そのまま演じ続けた。


<健さんの言葉>

「笑うとか、泣くとか、怒るとか、刺青入れて人を斬るとか、芝居ってのはいろんなのがあるけど、『こういう人生を皆さんはどう思いますか?』『こういう生き方も悪くないんじゃないですか?』というところを見せたい。その人の人生体験というか、それが俳優の価値なんでしょうね」

「いろんな人たちと別れるじゃないの。そういうのが重なっていくと、やっぱり人の命ってのは、どう努力したって限りがあるということを意識するようになるよね。ましてや映画なんて、そう簡単にできないから、また5年も6年も(休む)となったら、もう1本も撮れないかもしれないもんね」

最後の言葉は、結局、現実となってしまった。

まだまだ健さんの映画を観たかった。

ご冥福をお祈りします。

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